労働基準監督署の調査とは?
ここでは労働基準監督署の調査とその中身について説明しています。
労働基準監督署の調査
労働基準法第101条1項で「労働基準監督官は、事業場、寄宿舎その他の付属建設物に臨検し、帳簿及び書類の提出を求め、または仕様車もしくは労働者に対して尋問を行うことができる」と規定されています。この立ち入り調査とは労働基準監督署が事業所に立ち入り、労基法や労働安全衛生法に基づいて調査をすることをいい、以下のような場合に行われます。
調査の種類 |
内容 |
定期的に行われるもの |
監督官が手分けをして、管轄事業所を定期的に巡回する。 |
業種を限定して行われるもの |
行政の方針に基づいて、対象業種ごとに重点的に調査する事項を決定した上で実施されるもの。 |
労災等の給付が行われた後に実施されるもの |
労災事故により、労災給付が支払われた事業場に対して実施されるもの。 |
労働者からの相談・申告によるもの |
社員または元社員から、労基署に対して相談・申告があった場合に実施されるもの。 |
調査後の経過をみるもの |
調査を実施した事業場に対して、その後の運用が改善されているかを確認するもの。 |
最近は労使紛争が増加していることもあり、労働者の相談・申告による調査が増えています。通常事前に事業主に日時、目的などを通知して行いますが、労働基準監督署が事業主の証拠隠滅を警戒し抜き打ちで行うこともあります。そして臨検の際には、監督官は事業主や担当者に対して質問し、帳簿の提出を求めます。
調査項目には、次のようなものがあります。
就業規則を届け出ているか
残業代をきちんと支払っているか
36協定を提出しているか
労働災害防止のための必要な措置を講じているか
健康診断を受けさせているか
有資格者を配置させなければならない業務にきちんと有資格者を配置させているか
労働保険料の申告・納付が適正になされているか
調査の際に準備するもの
調査には、飛び込みで行われるものと、事前に調査を行う旨の通知を受ける場合とがありますが、事前通知を受ける場合は、通常労基署から事業主宛に郵送またはFAXにより書面が届き、その後監督官から電話連絡が入ります。送付された書面には、調査の目的、調査の日時、担当監督官氏名、準備が必要な書類等が記載されています。準備が必要なものの例を以下にまとめてみます。
必要書類等 |
どのような調査に利用するか |
会社案内・組織図 |
・業種、調査対象以外の事業場、組織形態、管理監督者数の確認 |
労働者名簿 |
・労働者数とその勤務形態(パート・契約社員等)の確認 |
雇用契約書 |
・特定の調査対象労働者の労働条件を確認 |
就業規則その他の諸規定 |
・会社全体の労働者に対する労働条件を確認 |
36協定書その他の協定書 |
・時間外、休日労働に関する事項の確認 |
出勤簿・タイムカード |
・労働時間の確認 |
賃金台帳 |
・割増賃金等手当の支払い、および支払額の確認 |
源泉税納付書の控え |
・賃金台帳に記載する給与支給人数、および支給額の確認 |
シフト表・勤務割表 |
・交代制勤務の場合の労働日数、労働時間の確認 |
年間休日カレンダー |
・労働日数の確認(特に変形労働時間制を適用する場合) |
年次有給休暇の取得状況 |
・年次有給休暇取得率の確認 |
定期健康診断個人票 |
・健康診断の実施状況、報告義務の確認 |
選任状況の確認書類 |
・安全管理者・衛生管理者・産業医選任届、安全衛生推進者選任状況の確認 |
安全衛生委員会議事録 |
・委員会の会議内容、およびその周知方法 |
調査の流れ
立ち入り検査で法令違反の有無を調査
法令違反があれば是正を求める(これを「是正勧告」という)
事業主は是正勧告書の内容に従い、指定された期日までに違反項目を是正し、監督署に
文書で報告する。
違反はないが労務管理や安全衛生上改善した方がよい事項には「指導票」が交付され
る。


